2014.01.26
ラボ設備のこだわり その3〜照明とUV〜
絶賛連載中のシリーズもの、ラボ設備のこだわり第3弾


今回は、照明のお話です
数年前に美白ブームが到来して以来、SPF30やSPF50など、普通に使われる様になったと感じています。
これは太陽から身を守るためではなく、紫外線 UV から身を守るために使用しますよね?
では、UVは屋外だけの問題なのでしょうか?
実は室内でも照明や、あるいは外光の侵入によって、UVは結構降り注いでいるのです。
UVは皮膚の細胞だけではなく、生殖細胞である、精子、卵子、受精卵にも悪影響である事が分かっています。
ですので、培養室に窓がある場合はほとんどありません。あったとしても遮光されているはずです。
では培養室に発生する可能性のあるUVはどこからくるのか・・・
・天井の蛍光灯
・クリーンベンチの白熱球
・顕微鏡のハロゲンランプ
・部屋の棚下蛍光灯
・手術用無影灯
必要不可欠な照明を挙げてもこれだけの照明があります。
RCOでは培養室と手術室、精子調整室に届く照明の全てをLEDにしています。LEDのUV発生量はほぼゼロです。
意外に知られていないのが、白熱球やハロゲンもUVを発生するということ。顕微鏡での観察は胚の観察に不可欠ですが、ほとんどの顕微鏡はハロゲンランプ仕様になっています。また、ハロゲンと白熱灯は熱を持ち易いため、温度管理が難しいというデメリットもあります。観察には迅速な操作が必要になります。
また忘れがちなのが、本棚などの収納下の照明、採卵や移植などに使用する無影灯。これらもLEDであることは非常に稀です。

ラボの天井照明は調光式のLED
暗いラボが多いのですが、明るく視認性良くラボワークが可能です

スタッフ間の視認性を上げるため窓ガラスを大きくしています
ですので手洗い場と言えど、こちらもLED

顕微鏡は正立、倒立、実体、全てがLED
棚下灯も抜かり無く

作業台のクリーンベンチも

ICSI用のクリーンベンチ
これらは特注で改造して頂いた日本初のものです

手術室の無影灯も抜かり無く
小型ですが光量も十分、こちらも日本初導入
LEDに関してはかなりこだわりました。中には開院までに発売や改造が間に合わなかった製品もありますが、待った甲斐はあります。やるからには中途半端ではなく、貫くのが信条です。
我々は、LEDの種類が増えたタイミングで開院できた事はラッキーな事かもしれません。ですが、このブログで度々口にするグレーな話、そう、コストの話をしますと、LEDの製品はまだまだ高額な場合が多いです。
空気清浄度、VOC、そしてUV、これらをどこまで気にするのかはラボのポリシーに委ねられていますが、影響がある可能性のあるものは、排除できる限りする、これが受精卵などへの優しさだと思っています。
Thanks,
ZuuMii



今回は、照明のお話です

数年前に美白ブームが到来して以来、SPF30やSPF50など、普通に使われる様になったと感じています。
これは太陽から身を守るためではなく、紫外線 UV から身を守るために使用しますよね?
では、UVは屋外だけの問題なのでしょうか?
実は室内でも照明や、あるいは外光の侵入によって、UVは結構降り注いでいるのです。
UVは皮膚の細胞だけではなく、生殖細胞である、精子、卵子、受精卵にも悪影響である事が分かっています。
ですので、培養室に窓がある場合はほとんどありません。あったとしても遮光されているはずです。
では培養室に発生する可能性のあるUVはどこからくるのか・・・
・天井の蛍光灯
・クリーンベンチの白熱球
・顕微鏡のハロゲンランプ
・部屋の棚下蛍光灯
・手術用無影灯
必要不可欠な照明を挙げてもこれだけの照明があります。
RCOでは培養室と手術室、精子調整室に届く照明の全てをLEDにしています。LEDのUV発生量はほぼゼロです。
意外に知られていないのが、白熱球やハロゲンもUVを発生するということ。顕微鏡での観察は胚の観察に不可欠ですが、ほとんどの顕微鏡はハロゲンランプ仕様になっています。また、ハロゲンと白熱灯は熱を持ち易いため、温度管理が難しいというデメリットもあります。観察には迅速な操作が必要になります。
また忘れがちなのが、本棚などの収納下の照明、採卵や移植などに使用する無影灯。これらもLEDであることは非常に稀です。

ラボの天井照明は調光式のLED
暗いラボが多いのですが、明るく視認性良くラボワークが可能です

スタッフ間の視認性を上げるため窓ガラスを大きくしています
ですので手洗い場と言えど、こちらもLED

顕微鏡は正立、倒立、実体、全てがLED
棚下灯も抜かり無く

作業台のクリーンベンチも

ICSI用のクリーンベンチ
これらは特注で改造して頂いた日本初のものです

手術室の無影灯も抜かり無く
小型ですが光量も十分、こちらも日本初導入
LEDに関してはかなりこだわりました。中には開院までに発売や改造が間に合わなかった製品もありますが、待った甲斐はあります。やるからには中途半端ではなく、貫くのが信条です。
我々は、LEDの種類が増えたタイミングで開院できた事はラッキーな事かもしれません。ですが、このブログで度々口にするグレーな話、そう、コストの話をしますと、LEDの製品はまだまだ高額な場合が多いです。
空気清浄度、VOC、そしてUV、これらをどこまで気にするのかはラボのポリシーに委ねられていますが、影響がある可能性のあるものは、排除できる限りする、これが受精卵などへの優しさだと思っています。
Thanks,
ZuuMii

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