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顕微授精 = ICSI

スポーツの話を冒頭に書くことが多いですが、どうしてもどこかでマイナスの話をせざるを得ません。当たり前ですがスポーツでは、優勝しない限りどこかで敗れ、悲しむものです。それは、大会では残念ながらほとんどの場合、悲しみを伴うということを意味しています。それだけに勝利の喜びは格別のものがあります。ヨルダン戦は残念でしたが、次はホームで勝利してくれることでしょう

残念ながら、不妊治療でも必ずお子さんを授けられる訳ではありません。その確率を1%でも上げることが我々胚培養士の仕事です。

今日のお話は、その胚培養士の技術の影響を最も受ける、顕微授精(ICSI)のお話です。

ART(生殖補助技術)には2通りの受精の方法があり、前回はそのうちのIVFについてお話をしました。今回お話しするICSIは、まさにこれぞ体外受精、と思われる方法かもしれません。体外受精の紹介を本やテレビで見ると、だいたいこの画像や映像を目にすることでしょう。

ICSI

この3枚の写真の様に、1個の卵子に1個の精子を細い針を使って人為的に注入します。細胞に針を刺すこの方法は、ご想像の通り、通常の受精とは異なる方法であり、経験がなければ受精率は下がりますし、卵子が変性(死んでしまう)する確率は上がります。

右上の写真にある顕微鏡とマニュピレーターという機械を使って、約1/10mmの卵子に1/150mmの針を刺す、という非常に細かい技術が必要です。

胚培養士としては、この技術を行うことができるか、それが一つのスキルの基準となります。見習いの培養士のゴールであり、胚培養士のスタートでもあります。

これがゴールの様に錯覚する人もいますが、これ以上に難しい技術もありますし、日進月歩の世界ですので、ここからが勝負です。例えば精液中に精子がいない人は、精巣中に精子がいないかを探しにいく手術(TESE)があります。この精巣精子を使用したTESE-ICSIはさらに経験を要します。TESEについてはまたお話しします。

ではこの方法、どのような場合に使用されるのでしょうか?
1. 精子が極端に少なく(乏精子症)、IVFは難しい
2. IVFを行ったが受精率が低かった(受精障害)
3. ART初回で、IVFで受精するか分からない場合

1と2の場合は選択肢がICSIしかないので、ICSIを選択せざるを得ません。3の場合は主治医の方針によって意見は様々です。

IVFとICSIの受精率はほとんど変わりません。精子の状態が良ければICSIの方が若干高いでしょう。ですが、実は最終的な受精卵のグレードはIVFの方が良い、という見解が一般的です。つまり、出来る限りICSIは避けた方が良いと考えられることが多いです。ですので3の場合、本当はIVFを全てにしたいけれども、もし受精障害だった場合を考えて、半々でIVFとICSIを行うことがあるのです。

3のケースでは、ICSIの方が良い成績が出るのでICSIを必ず行う、という施設もありますし、受精障害は稀なので、なるべくICSIを行わずIVFのみ行う施設もあります。どちらが正解という答えは今のところありません。

これらの方法を使って受精が起こると、そこから受精卵の培養が始まります。

Thanks,
ZuuMii
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theme : 不妊治療
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